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今までは、勉強と言えば、宿題と、ベネッセのチャレンジをやってきた。チャレンジをやることについて私は関わっていないが、他の子がやっているのを見て、自分もやりたいと言い出したのがきっかけだったようだ。しかし、家人はチャレンジだけでは勉強は足りないと感じているらしく、子供もなんとなくつまらないらしい。
ただ、子供としては、出来れば際限なく友達と遊びまわり、家にいる時はゲーム三昧で過ごしたいようだ。当然と言えば当然。
私はと言えば、学校の成績が普通なら別にいいんじゃねーか?と、宿題やってりゃいい、ぐらいの姿勢で子供に接してきた。勉強が出来る子になって欲しいとは、毛頭思っていないからだ。この辺は家人とは意見が違うが、家人も私の手前か、子供にそうガミガミ言うわけでもない。
前から周囲に塾に通う友達はそこそこいたが、6年生ともなるとかなりの人数が塾通いをしている。困るのは、塾に行かない子供の遊び相手が減ってしまうことだ。子供にも部活動があるが、そのため友達との予定が合いにくくなっている。勢い家で過ごすことが前よりも増え、もともとゲーム好きの子供は暇さえあればゲームをしている。
その様子が家人には気に入らず、小言が増えていた模様。ある日家に帰ってみると、子供と家人が言い合いになっている。子供の方も、反抗期にさしかかっているだけあって、家人の物の言い方に難癖をつけている。
家人としてはゲームばかりやっているのが心配なのだそうだ。それで、少しは勉強したらどうか、他の子は勉強しているよ、という話になるらしい。
それで私が子供と少し話をしてみた。話によると、友達と予定が合いにくいからゲームをする時間が増える。遊び以外に何かやりたいことはないかと聞いても、大した答えは返ってこない。
家人の意向もくみとって、勉強についても聞いてみた。
「 勉強は?しなくて済むならしたくないのか? 」
「 いや、ちょっとはした方がいいかな、と思ってる。 」
へえ、意外な答えだ。
「 どうして? 」
「 自分で勉強ができないとは思ってないけど、もうちょっと出来てもいいかな、って思うときがある。 」
「 テストの点が良くなかった時とか? 」
「 うん。 」
「 そっか、じゃあ塾に行きたい? 」
「 いや、塾には行きたくない。 」
行きたいと言えば行かせるが、望まないのに無理に行かせるつもりはない。
「 じゃあ、少し家で勉強するか? 」
「 うーん、まあ勉強するのはいいけど、いつもいつも勉強しろって言われるのはむかつく。 」
「 ある程度勉強してたら言われないんじゃねえか? 」
「 ある程度ってどれくらい? 」
「 そうだなあ、1週間に10時間ぐらいかなあ 」
「 10時間!多くね? 」
「 多いかなあ、でも、平日1時間ずつやって、土日は2時間半ずつやる、それで10時間だぜ。 」
「 そっか、それならやれそうだなあ。 」
「 じゃあやれよ。 」
「 うーん…。 」
「 まあ、勉強時間決めちゃってそれだけやっちゃえば、文句言われることはなくなるわな。 」
「 え?…そっか! 」
「 やる事やってりゃ誰も文句言えないだろ。 」
「 そっか!一言も? 」
「 そう、一言も。 」
「 まじか? 」
「 まじ。それは俺が保証する。 」
「 じゃあ、やる! 」
「 やるって決めたら、やらなきゃダメだよ。やってなかったら俺も注意する。 」
「 あ、うーん…。 」
「 決めないんなら、別に言わねえけど。 」
「 うーん、どうしよう…。 」
「 決めないならやんなくていい、って言われても、やらないとは言わないんだ? 」
「 まあ、やった方がいいとは思ってるからね。 」
「 へえ、考えてるじゃん。じゃあやれよ。 」
「 でもなー、また決めたでしょ、とか言ってガミガミ言われるのはやだなあ。 」
「 言われる前にやるんだよ。 」
「 わかってるけどさあ。 」
「 仕方ねえなあ…。じゃあ、俺が勉強みてやろうか? 」
「 あ、いいね。でも見られる? 」
「 まあ、仕事頑張って早く帰るようにするけど、寝る前とかになるかもな。 」
「 別にいいよ。でも、教えてるとき怒らない?テメーなんでここがわかんねんだよ!とか言って。 」
「 うん、怒らねえよ。 」
「 じゃあやる。 」
「 俺が仕事で見れない時は一人でやれよ? 」
「 やるよ。よっしゃー、これで文句言われないぜ。堂々と遊べるぜ! 」
「 まだやってねーし。勉強したらの話だぜ。 」
「 うんうん、わかってるって。遊ぶぞー。文句言われずに遊ぶぞー。 」
といった感じで、私が勉強を見てやることになった。
一応の取り決めとしては、平日は宿題以外に1時間勉強する、土日は2時間半ずつ勉強する、ということに。平日に勉強を見てやるのなんて、サラリーマン時代には全くありえなかったが、今は自営なので頑張ればなんとかなるだろう。通勤も短いし。遅い日は一人で頑張るって言ってるし。
なんとなく、大手を振って遊ぶために勉強しておく、という感じもなくはないが、意外にも本人が少し勉強をした方がいいと思っていたようなので、隠れた意欲が目を覚ました瞬間だったのかも。まあ、続けてみないとわからないよな。
でも、子供と過ごす時間をしっかり取るという意味でも良い機会かも知れない。