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例えば、
78 × 99 を工夫して計算しなさい。
という問題。
教科書を見ると5年生で教わるらしいが、身についていない様子。
おそらくだが、習ったときには簡単にわかったのだろうが、何ら印象に残っていないようでもある。
さて、問題集の解説には以下のように書いてある。
78 × 99
= 78 × (100-1)
= 78 × 100 - 78 × 1
= 7800 - 78
= 7722
これを見て、子供としては計算がそうなることはわかる。
しかし、なぜ最初に78 × 100をして、そこから 78 × 1 を引くのか、いまひとつピンと来ていない様子。
うーん。
内心、これくらいピンと来てくれないかなあ、とも思うがまあ仕方ない。
「78 × 99 って、ひっ算しねえと計算できねえじゃん。そろばんやってねーし。」
「そうだね、できないね。」
「だからさ、簡単に計算できる100かけといてさ、そのあと1つ分引けば同じことじゃん。」
「ん、うん…。」
「なんかピンとこねえの?」
「うん。」
「マジか…。」
「そか…。じゃあさ、1個78円のお菓子をさ、100個買うとしたら、”お会計7800円でーす” ってなるじゃん。これ、暗算でできるよな。」
「そうだね。」
「でも、やっぱ買うのは99個にしとこうって気が変わって1個返すことにしたら、78円返してもらうじゃん。」
「うん。」
「そしたらお会計は7800円だったけど、78円減って、結局”お会計7722円でーす”ってことになるじゃん。」
「そうだよ。」
「てことはさ、78円 × 100個 しといてさ、そのあと 78円 × 1個 ひいて、99個の値段がわかったわけじゃん。」
「あ、そうか。うんうん。わかった。」
「じゃあさ、1個78円のお菓子を101個買うとしたらいくら?」
「7878円!」
「そうだよね。それ計算式に直すとどうなる?」
「78 × 100 +78 × 1」
「んだな。」
「そっか。なんだよ。そんな単純なことかい!」
「そうだよ。」
「なんか計算式だけ見せられると意味不な感じだったんだよね。」
「へえ、そっか。」
「俺なんて普段からこういう計算してるぜ。」
「そうなの?」
「結構使うよなあ。計算するとき、単純な計算でできるところを探して、面倒なところを極力減らすわけよ。」
「ふうん。」
「よくあるじゃん。1980円とかの値段。これ6個買ったらいくらだ?とか思ったらさ、2000 × 6 = 12000円 で、20円 × 6 =120円だから、11880円だな、とか。」
「なるほどね。」
「計算が得意でもねえし、好きでもねえからな。電卓あれば電卓使うけど。」
「そりゃそうだ。」
とまあ、なんとも迂遠な気もするが、こちらが当たり前だと思ってることも、なんだかピンとこないということもあるらしい。
生活感のある例えが手っ取り早い気はする。
しかしまあ、「工夫して計算しなさい。」という問題は、工夫しなくても答えは出るので、「なんで工夫しなきゃいけねんだよ!」と思わなくもない。
だいたいこういう問題は、工夫すればすっきり解ける計算なのだが、「工夫すればすっきり解けますからね。」と予告されている問題で「工夫」することにどれだけ意味があるものか…。
例えば、
298 + 352 + 989 - 297 - 351 - 988
= (298 - 297) + (352 - 351) + (989 - 988)
= 1 + 1 + 1
= 3
とか
2.461 × 2.5 + 1.539 × 2.5
=(2.461+ 1.539) × 2.5
= 4 × 2.5
= 10
とか
一見複雑に見える計算が簡単に解ける気持ちよさというのはあるものの、上のような問題は「予定された工夫」なだけに、どれだけ意味があるものか…。
中学受験の問題で出ているみたいだが。
それはさておき、
この「計算の工夫」がピンとこないのは、あまり一人で買い物させることが少なかったことが影響している気もするなあ…。
反省。